STORY02

紙文書から、電子文書主体の働き方へ。
業務効率を向上させる、新たな業務システム開発。

お客様を成功に導く懸け橋BRIDGE FOR INNOVATION

背景
紙文書主体の書類管理、業務プロセスの見直しが必要
お客様の課題
ひっ迫した文書格納スペースの早急な解消と業務効率の向上
富士フイルムBIジャパンの
解決策
文書管理コンサルティング&システムおよび運用ルール導入による「電子文書主体の働き方への変革」の支援

不動産業界のお客様が抱えていたのは、紙文書主体の書類管理、業務プロセスによって生じた、格納スペースのひっ迫、労力と時間を要する書類・資料検索の課題。
根本的な原因を見出すべく、綿密な文書管理コンサルティングを行い、電子文書を主体とした業務プロセスを定義。新たな業務プロセスに富士フイルムBIジャパン独自の商材を組み合わせ、新システムと運用ルールの導入を迅速に実現した。

MEMBER

  • SYSTEM ENGINEER2013年入社

  • SOLUTION SALES2018年入社

働き方に変革を起こすべく、
喫緊の課題解決が託された。

お客様との出会いは、6年前にさかのぼる。全国各都道府県に置く拠点の一つ、東京支社において、文書コンサルの支援を行ったことがきっかけだった。以来、お客様との確かな信頼関係を築いていく中、本社から相談が寄せられた。「地下倉庫などの格納スペースが、書類や文書でひっ迫しているので、早急に解消したい。力になってもらえないだろうか?」。東京支社のみならず、組織全体として、紙文書主体の働き方による課題が生じており、具体的な解決策が求められていた。ここに至る関係性とこれまでの案件実績への評価が端緒を開き、今回の案件がスタートした。

喫緊の課題は、ひっ迫した格納スペースの解消の他にもう一つあった。資料の大半が紙で保管されているため、問い合わせや照会などの検索に手間がかかってしまうことが常態化していた。長年、培われてきた紙文書主体の働き方に変革を起こすためのキモは、膨大な文書の山を整理し、電子文書主体の管理システムへの転換を図りながら、業務効率をいかに向上させていくかということ。お客様の要望を叶えることはもちろん、課題の根底にある原因を常に考えることを大切にするSEが、最初に取り掛かったのは、現場の人々へのヒアリングだった。

「現状の業務について、各担当者の方にお話を聞かせていただくことからスタートしました。誰しも日々、当たり前に行っている業務内容について、『なぜ、この業務を行っているのか?』 『これは、本当に必要な業務なのか?』と改めて考えることはあまりないと思いますが、廃止・集約の観点から、各業務を俯瞰的に捉える必要がありました。僭越ながら、当事者が考える業務の必要性や業務を行う理由について、あえて聞かせいただき、業務の洗い出しを進めていきました」。

分業による集中&絶妙なチームワークの発揮で、
新システムと運用ルール導入を迅速に実現。

文書管理コンサルティングでは、現場でのヒアリング内容をもとに現状の業務フロー図を作成し、業務プロセスの改善点を見出していった。これをベースに電子文書を主体とした業務プロセスを定義し、富士フイルムBIジャパン独自の商材を組み合わせることで、新たな業務システムを迅速に実現した。今回導入した商材は、電子文書と電子化した紙文書を一元管理するオフィス向けドキュメントハンドリング・ソフトウェア「DocuWorks」、強力なセキュリティを特徴とした文書管理・共有のクラウドサービス「Working Folder」、企業の情報資産活用を実現するWebベースの文書管理ソフトウェア「DocuShare」。これらに複合機を加えて、試験的に業務を回し、システムの整合性を確認しながら、実運用環境を整備していった。

既存の紙文書については、お客様に要否を判断してもらったのち、必要な文書に関しては電子化を行い、格納スペースのひっ迫を速やかに解消した。加えて、電子化した既存文書を適切に管理できるよう、システムのみならず、これまで同社にはなかった運用ルールも新たに作成し、導入するに至った。しかし、既存の紙文書への対応だけでは、今後も増え続けていくであろう新規の紙文書の問題が懸念された。現に、各地方支社のやりとりは郵便が原則となっているため、紙文書は、刻一刻と蓄積されている。「電磁的方法で行い、迅速かつ簡便な運用を目指したい」というお客様の要望を叶えるべく、SEは、本社が主体となって、新たに発生する紙文書を減らすための活動を推進することを提案。業務コンサルティングを通じて支援を行う中、新たに全国各地の地方支社へのシステム導入を踏まえたトライアルがスタートした。

ここに至るまでの数年間、SEと営業は、分業しながら綿密な連携を図ってきた。SEがフロントに立ち、文書管理コンサルティング、デリバリー、現場での調整・折衝を担う一方、営業は、DocuWorksなどの各現場でのソフトウェアのインストールや問い合わせへの対応、社内調整などのバックサポートに徹した。トライアルについては、地方支社を9グループに分け、年間9回のトライアルを実施することが決まった。SEが、各地方支社の担当者との打ち合わせを行うかたわら、営業は、ソフトウェアのインストールに必要な登録など、細かい事務処理をこなしつつ、地方支社を担当するエンジニアや関係者との連携を担った。各自の役割に集中しながらも、絶妙なチームワークを発揮することで、遅滞なく案件を推進し、お客様の課題を解決するに至った。

ブレイクスルーとなったのは、
「働き方変革への意識醸成」。

今回の案件を推進する上で、SEと営業がそれぞれに苦心したことがある。SEにとっての最大のチャレンジは、紙文書から電子主体の働き方への変革を行うにあたって、お客様の意識を醸成することだった。現状の業務が回っている中で、そのプロセスを大きく変えるとなると、誰しも、抵抗を感じるものである。部分的に見れば、業務の廃止・集約によって、何か大切なものを失ってしまうような気持ちになるかもしれない。「小さなところから、試験的に少しずつ変えてみることをご提案しました。当初は、ためらわれる場面もありましたが、全体で見た時に、その変化が業務に影響をきたさず、ひいては、業務の効率化が図れることが、実感を伴って分かってくると、お客様の意識にも、徐々に変化が現れてきました。ここにたどり着くまでに多くの時間を要しましたが、小さな成功体験を積んでいただくことが、新しい働き方への変革のスタート地点とも言える意識の醸成につながったと思っています」

SEが常に心がけたのは、「お客様の立場に立って考えること」。彼はこれを実践するために、自分自身が、お客様の会社で働く社員となり、当事者の視点から物事を考えるという独自のアプローチ方法を編み出していた。各業務についての知見を深めながら、新人社員向けのマニュアルなど、ありとあらゆる資料を読み込んでいった。その上で、SEとしての俯瞰的な視点から、業務の改善点を挙げ、変革のための構想を組み立てていく。それを一旦寝かせたあと、今度は、その業務を担う当事者の主観的視点から見て、うまくいくかどうかをシミュレーションするサイクルを繰り返しながら、内容が固まった時点でお客様に投げかけ、合意のもとに一つずつ実践に落とし込んでいった。お客様の意識が変わったことで、紙文書から電子文書主体の働き方への変革は、着々と進んでいき、本社と地方支社とのやりとりは、紙文書と郵送で行っていた従来と比べて、最大4日短縮され、経費も大幅に削減されるなど、業務効率は大きく向上した。各業務の担当者と接する際には、「自分がこう言われたら、どう思うか?」を常に考えながら、相手の気持ちを尊重する伝え方にも、最善の配慮を配った。

当時、入社2年目の若手社員だった営業にとっては、全国規模の案件に携わることそのものが、大きなチャレンジであり、刺激的で貴重な経験だった。とりわけ地方支社へのトライアル実施が決まってからは、時間との闘いが続いた。年間スケジュールは、あらかじめ決まっていたため、トライアル期間を都度確認し、社内での登録作業など、トライアル実施に必要な業務を、3週間前倒しで進めていった。「お客様のご都合で、変更が起きることはあっても、私たちの連携や調整ミスによって、遅れが生じることは、絶対にあってはならないという意識で進めてきました。通常の業務に加えて、地方支社を担当するエンジニアの方々の緊急対応を行うこともありました。ソフトウェアのインストール作業の当日に、インストールがうまく進まなかったようで、電話で手順をご説明し、サポートさせていただきました」と営業は振り返る。

目指すは、さらなる包括的な業務改善の支援

紙文書から電子文書主体の働き方へ変革するにあたって、当初、お客様は、既存の業務に影響が出ることを懸念されていたという。しかし、新たに定義した電子文書を主体とした業務プロセスのもとに実現した業務システムの導入後、「操作も簡単で、業務がスムーズに回るようになった」「運用面をしっかり押さえてくださったおかげで、本社、地方支社とも、順調に改善活動を展開できているので、満足している」「本案件に関与していない職員にも、業務を変えていく意識を広げていきたい」と嬉しい声が届いている。5年を越える長い年月をかけて、大切に育んできたお客様との関係性。それは今回、スピード感のある解決策の具現化と手厚い支援によって、さらに太い絆となった。現在は、お客様の顧客にまで対象を広げ、あらゆる手続きの電子申請化を図ることで、包括的な業務改善を支援するべく、新たな提案を行っている最中だ。「本件を受託することになった場合、顧客の方々にもご協力いただきながら、推進していくことになるので、さらにハードルが上がります。身の引き締まる思いですが、チーム一丸となって、尽力を尽くしていきたいと思います」。