STORY06

あらゆるドキュメントと社内システムの連携&一元管理化を実現した、
統合デジタル基盤の構築。

お客様を成功に導く懸け橋BRIDGE FOR INNOVATION

背景
コロナ禍の影響やデジタル化の加速に伴い、物流業界ではEC需要が急拡大。限られた企業資源を最大限活用し、企業全体の対応力を上げることで、これらの需要に応えていく必要があった
お客様の課題
組織再編を契機に、「インフラ強化」「業務プロセス改革」、2022年1月施行の電子帳簿保存法改正を鑑みた「統合デジタル基盤の構築」が不可欠
富士フイルムBIジャパンの
解決策
文書管理システムを軸とした統合デジタル基盤の構築により、電子帳簿保存法の改正に対応しながら、あらゆる領域の取引書類と社内システムの連携&一元管理化を実現

物流事業会社のお客様の最重要課題は、組織再編を契機としたインフラを強化し、業務プロセスの再構築を図ること。
既存の業務プロセスを包括的に見直し、富士フイルムBIジャパン独自の文書管理システムを主軸に、
電子帳簿保存法の改正に対応した全社文書管理システムを構築。
2022年1月、3月の段階的リリースにより、あらゆるドキュメントの一元管理化と有効活用が可能となる。

MEMBER

  • SYSTEM ENGINEER2006年入社

  • SOLUTION SALES1991年入社

変革期に託された、
大規模システム構築の提案。

多様な経営資源を結集した、新しい企業へと生まれ変わるべく、お客様は組織再編の大きな節目を迎えていた。物流事業におけるトータルな価値提供を通じて、個人、地域の顧客の利便性向上のみならず、法人顧客の経営を支援するパートナーとなるためには、現場第一線を担う営業担当者が、顧客にしっかり向き合う時間と接点を創出することが不可欠だった。そのための事務領域の重点施策として、業務プロセス改革を推進し、ひいては、インフラの強化を図ることが、最重要課題であった。目標は、管理・間接業務を標準化、効率化に取り組み、前年同期比で約4割の削減を達成すること。営業は、お客様の会社経営者との面談の場において、この課題を直々に示唆された。その背景には、10年以上前から、大切に関係性を育んできた経緯がある。経営層へのインタビューや現場視察を通じて、経営課題をはじめとする会社への理解を深め、時代と共に変化するお客様の課題に対して、さまざまな提案を行ってきた。今回、かつてない大規模な課題解決策の提案が託された根底には、長い年月の中で行われてきた活動があった。

2021年3月、本件の担当者との面談時には、「2022年1月から、改正・施行される電子帳簿保存法に即した文書管理システムを構築したい」という新たな要望を受けた。電子帳簿保存法とは、「紙での保存」が原則だった国税関係帳簿や書類を、一定の条件を満たせば、電子化して保存することを認める法律のことである。これまでにも時代の変化に応じて幾度となく法改正が行われてきたが、ここ数年、コロナ禍の影響やDX化の推進など、デジタル化が目まぐるしく進化する中、その要件が抜本的に見直されることになった。「これを機に、DX化を最優先とする業務プロセス改革を本格的に推進していきたいとのことで、改正される電子帳簿保存法への対応を含めて、ご提案を差し上げることになりました」と営業は振り返る。

三位一体の強固な連携体制のもと、
揺るぎない信頼を獲得。

お客様への提案を行うにあたって、まず営業は、その経営課題やこれまでの営業活動について、SEとソリューション営業に共有した。お客様の会社では、各種業務や紙文書のデジタル化がすでに推進されていたが、膨大な紙文書を効率的に管理するための基盤が整備されていなかった。本案件の最たる目的は、それらの紙文書を一元的に管理することで、業務データの保管や活用面での業務効率の向上、情報統制の強化、ITインフラの集約効果を生み出すこと。電子帳簿保存法については、改正に伴う適用承認を得ることで、各種業務におけるペーパレス化の促進を狙いとしている。この他、本案件を担当する管掌役員から、あらかじめヒアリングしていた目指すべき方向性や、現場への訪問を通じて確認した、紙文書の業務プロセスの現状などを共有したのち、営業、SE、ソリューション営業は、三位一体の強固な連携体制のもと、提案内容の作成に取り掛かった。

お客様との良好な関係性を維持してきた営業が、お客様の声の収集・分析を行うかたわら、SEは、お客様から提示された要件を一つずつ紐解き、技術的なフィジビリティスタディを続けた。また、社内の知見者や上層部メンバーを交えたミーティングを重ね、案件獲得に向け一丸となって取り組んだ。「お客様のご要望はもちろんのこと、その背景にある、中期経営計画の意図への理解を深めていきました。その上で、継続的にご支援できる関係性を築くことを最大の目標としながら、30年以上、業界をけん引してきた文書管理領域、全社で発生する取引書類の一元化という自社ノウハウを活かせる領域など、富士フイルムBIジャパンの強みを活かしたシステム構成を検討しました」とSEは話す。短期間でのシステム構築が行えること、継続的かつ柔軟に連携先を追加できること、電子帳簿保存法に適合するための適切なアドバイスを行えること。これら3点が、本案件の重要ポイントであると判断し、提案の内容を詰めていった。

今回、まず提案したのは、電子帳簿保存法の改正においては先駆けとなる、アドバイザリー契約の提供。さらに、その内容をもとに要件定義を行い、富士フイルムBIジャパン独自の文書管理システム「ArcSuite」を主軸とした全社文書管理システムの構築を提案した。ArcSuite は、多種多様なシステムと柔軟に連携できるため、既存の業務に変更をきたすことなく、改正後の電子帳簿保存法に対応しながら、お客様の社内システムやSaaSと連携させ、あらゆる領域の取引書類を一元管理し、有効活用を図ることが可能になる。加えて、文書を適切に格納するための入出力環境の整備も、重要なファクターと位置づけ、独自のManaged Print Services「XOS」による運用も提案した。言い換えれば、今回の提案は、ハードとソフトの両面から、中長期的にお客様の活動を包括的に支援する内容となっている。将来の追加システムを見据えた設計とすることで、利用範囲を拡大できるモデルを構築しながら、電子帳簿保存法アドバイザリーを付加し、法要件の充足、お客様の方針の検討支援を継続的に行うというものである。8社の競合他社が提案を行う中、従来からの価値提供である複合機に加え、文書管理領域の実績、システム連携に関するノウハウ、お客様の中期経営計画に基づき、長期的な視点に立ったデータ活用を見据えた点などが高く評価され、正式に受託するに至った。

最たるこだわりは、
「お客様に納得いただけるプロセス」&「共通認識」。

今回の案件が始動したのは、2021年9月。「今すぐにでも、開発に着手して欲しい」というのが、お客様の意向だったが、最初の1ヶ月間は、提案内容をベースにした方針策定を実施し、取り組みの方向性や優先順位の合意形成を行った上で、本格的な開発に取り組むことで了承を得ていた。これは、お客様の期待に全力で応えるために、SEが最も重きを置いた点の一つだった。「大規模システムを短納期で構築していく上で、方針や各要件をなぜ選定したかについて、お客様に納得いただけるプロセスを効率的に行うためには、最初の段階で、しっかり合意を結んでおくことが重要だと考えました。また、お客様側のシステム会社やベンダー、我々側のSEや外部協力会社など、多数の関係者との連携体制を図る中で、齟齬を生まないためにも、あらゆる詳細について共通認識を持つことが大切です。営業とソリューション営業の助けを借りながら、お客様に、この時間を持つことの重要性をご理解いただくことができました」。

アプリケーション、インフラ基盤、データ移行、電子帳簿保存法と、多岐に渡る領域を短期間でまとめ上げたのち、2022年1月と3月に段階的リリースを行うことが決まった。第一優先は、電子帳簿保存法の改正に伴う初回リリースを遅滞なく実現すること。実質3ヶ月弱という極めて短い開発期間において、各領域のプロフェッショナルが集中的に対応する必要があることから、富士フイルムBIジャパン SEメンバー8名、業務委託5名による領域ごとのチームを編成し、SEはプロジェクトマネージャーとして、全体をまとめる役割を担った。とりわけ契約や品質など、お客様との間で異なるルールのもと、厳格に進める必要のある領域においては、綿密かつ迅速な対応を常に心がけた。一方、営業は、SE、ソリューション営業と密に連携を取りながら、調整と折衝に奔走した。通常、業務要件をもとに、具体的なソリューションが決まると、追加の検討事項が発生するケースは少ない。しかし、今回の案件は、大規模かつ短納期であることから、プロジェクトリスクが大きく、綿密なリスク計画を立てて対応した。それでも生じる事態については、営業、SE、ソリューション営業間で速やかに情報を共有する体制を敷き、適切な解決策を打てるようにした。

さらなる目標は、支援規模の拡大と包括的なサービス提供

2022年1月、初回リリースが、計画通りに無事完了した。営業、SEをはじめ、各領域の専門知識を持つメンバーが、総力を上げて作り上げた壮大な規模のシステムは、改正に伴う電子帳簿保存法の提供サービスとして、初の試みと言っても過言ではない。「リリースに際して、お客様からは『ひとえに感無量です』と嬉しいお言葉をいただきました。現在、3月のリリースに向けて、構築を進めているところですが、品質やスケジュール管理についても高い評価をいただいております。短納期であるがゆえに、両社が同じ目的意識を持ちながら、柔軟に対応していくことが重要ですが、本案件では、お客様の協力のもとに、この信頼関係をしっかり築くことができていると思います」。現在は、最終リリースに向けた取り組みと並行して、文書管理に関する専門知識やノウハウをもとに、ドキュメントを起点とする業務を意識した検討を進めている。これについても、他社にはない切り口として高評価を得ている。今後は、連携する業務システムを増やし、グループ会社への展開を含めて、支援の規模をさらに拡大していく予定だ。「蓄積されていくドキュメントや、それに付随する情報の活用についても、アドバイスを頂戴したいとのご要望もいただいています。業務プロセス上、帳票を効率的に格納するための入出力基盤を統一し、ドキュメントの発生から活用に至るまで、包括的なサービスを提供するべく、これからも精進してまいりたいと思います」。